2020年春(市場動向)
2020年も早いものでもう3ヶ月目に突入しました。
尼崎市内の賃貸市場動向について履歴を残すために記していきます。
(売買については、1・2月が好調で、3月は例年並みになると思われます)
【1月】
年末年始からインターネットによるお問い合わせが多く、例年よりも動きが早いものと思われました。
しかしながら、問い合わせ件数に対して、メールの返信率や内覧の成約率は低い状態で、問い合わせに対応しても返答がなく、案内をしても申込に至らない方が多い状況でした。
理由としては、
・まだ探し始めの方が多かったこと
・転居の期限が決まっていない方ばかりであったこと
上記が主な理由でした。
比較的ファミリータイプの需要は高く、成約件数・売上でみた場合は例年よりも少し多い程度でした。
問い合わせ件数増加に対して、退去の件数は例年並み。
3月末の解約通知を1月に提出される方が多いように感じました。
通常は2月に3月の解約通知を出されるため、市場は早々に動いていたものと思われます。
【2月】
前半は1月からの借り希望客の契約日調整による成約が多く、中旬・下旬は他社からの申込が多数あり、末日頃には新規問い合わせについては対応しきれない状態にまで陥りました。
インターネットでの問い合わせ件数は例年の倍程あり、退去の件数は例年の3分の1程度。
毎日のように、2,3件の新規問い合わせがありましたが、1月に引き続き転居期日のない方も多く、インターネットにおける問い合わせの気軽さに振り回された部分が大きかったです。
ただ、気軽に内覧に来られる方も多く、1件だけ内覧し、検討すると帰ってしまわれる方もおられました。
退去については、ワンルームの3月末退去予定は多いものの、2DK以上のファミリータイプの物件の退去予定は少なく、徐々にファミリータイプの物件在庫が減っていきました。
退去した物件から決まっていき、数週間前から発注しているリフォーム手配よりも、先に成約して入居日が迫っている物件を優先して施工しておりました。
【3月】
1・2月と退去件数が少ないことにより、初旬から募集にかかっている物件が特にファミリータイプは少なく、転勤者の方等は、物件未内覧の状態で申込となる案件が増加しています(進行形)。
2020年は転勤者の方は家族帯同(単身赴任でない)で転居される方が多いように感じております。
コロナウィルスの影響もあると思われます。
実際に内覧や異動の取りやめとなった方もおられ、不動産業界にも影響が出始めております。
物件数が圧倒的に不足しており、近畿レインズに掲載されたと思ったら「商談中」の状態が頻発しております。
ただ、ワンルームタイプについては動きが芳しくなく、苦戦しております。
いつもであれば退去前に内覧の決まる1LDK物件も、問い合わせ件数は非常に多いものの、案内予定はキャンセルが入ることも多々あり、空き予定段階では2月下旬や3月上旬の入居希望日にあわせられないからか返信率も低く、3月中旬の退去が迫っています。
単身者の異動については、本年は遅くなる可能性も高いのではないかと思われます。
例年異動のある法人についても、本年は社宅依頼が出ていないところもあり、苦しい状況です。
退去予定はワンルームの解約通知が多く、間取りにおける需要と供給のバランスがずれています。
しかしながら、ファミリータイプの物件があれば決まるという状態が続いているため、売上や成約件数は上旬の段階では例年並みです。
問題としては、コロナウィルスによるリフォームに対する影響です。
水回り設備の交換については、通常納期が約3週間となりますが、今後3ヶ月近く納品に時間がかかる可能性が高いようです。
コロナウィルスによる中国の工場や物流等の停止が大きく影響しております。
2020年春においてまとめますと、
・インターネット問い合わせ増
・分譲賃貸の需要が例年と比較しても高い
・転勤者は家族帯同による転居が多い(単身赴任が少ない)
・法人の異動が減少している
・需要はファミリータイプ>>>ワンルームタイプ
・退去はファミリータイプ<<ワンルームタイプ
・転居の期日が決まっている方と決まっていない方の差が激しい
(申込から2週間後の転居希望等、決まっている方は入居が早い)
・全体として物件数は減少傾向にある
上記の通りです。
但し、この状況は尼崎市内においてのものであり、西宮市や芦屋市等の高価格帯のエリアについては、ここまで物件数は不足していないようです。
いずれのエリアにおいても、新築・築浅物件への問い合わせが多く、築古物件については、設備入替を行っても1度の案内では決まらないことも多く、時間だけがとられることも多々ありました。
また、築浅物件を求めておられても、賃料予算が築浅相場まで出ない方も多く、希望と現実の差があったことと存じます。